朝、湯を沸かすあいだに窓を開ける。帰宅して、鞄を置き、ひと息つく。暮らしを支えているのは、目立たない時間の積み重ねです。私たちは、その時間の手触りを少しよくするためにデザインをします。
余白とは、何もないことではありません。使う人が置き方を変え、用途を見つけ、自分の暮らしになじませていける余地。決めすぎないかたちが、日々の選択を受け止めます。
見た目が整っていても、洗いにくい器や、座りにくい椅子はつくらない。材料の来歴、手入れの方法、修理のしやすさを設計のはじめに考える。使い続けることを、特別な努力にしないためです。
